偶然見つかった胆嚢癌
2025-08-28
この患者さんは、高血圧や高コレステロール血症、脳梗塞などの病気を脳外科で診てもらっていましたが、高齢で通院が困難となったため太陽クリニックに紹介されました。そこで合併症の有無についても調べたところ、エコー検査で胆嚢内に不整形の腫瘤が見つかりました。それからすぐに県立病院の外科で胆嚢癌と診断され、無事手術を終えて退院することができました。胆嚢癌は痛みや黄疸などの症状が現れてからでは手術もできないことがありますので、この方は運が良かったと思います。
エコー検査の主な目的は大動脈瘤や頸動脈血栓などでしたが、同時に肝臓や胆嚢、腎臓、膵臓、甲状腺なども観察できます。このように別の病気が偶然見つかることは決して稀ではありません。
甲状腺にできた大きな腫瘤
2025-08-28
高血圧で通院中の患者さんですが、左の甲状腺に3cmを超える大きな腫瘤が見つかりました。エコーでは不規則な軟部組織の中に液状の部分が混在する嚢胞状の腫瘤です。
すぐに大分県にある甲状腺専門病院に受診してもらったところ、細胞診などに悪性所見は診られず、太陽クリニックで経過観察することになりました。さらに大きくなるようならば、専門病院を再受診してもらいます。
このC T画像からわかること
2025-08-19
ある胆石患者さんの腹部C Tの写真です。
正中のやや左側に楕円状に見えるのが胆嚢で、その中で白く写っている何個もの粒状の物体が胆石です。このように骨と同じくらいの濃度で描出される胆石は硬く、薬では溶けません。除去するには胆嚢ごと取ることになりますが、通常は内視鏡手術で除去できます。
さて、私の目にはそれ以外に気になることがあります。
この患者さんは見かけは大きく力もありそうなのですが、実際には身体のほとんどを脂肪(黒く見える部分が脂肪)が占めていて、筋肉(皮下脂肪と腹腔内脂肪の間にある灰色っぽく見える部分)は薄くスカスカになっているのが一目瞭然なのです。このままでは体重が重い分なおさらにひどい腰痛を起こすでしょう。これから糖分を控えタンパク質を摂りながら運動しなければいけません。また、身体をきれいにしてくれる生野菜をたくさん食べることも大切です。
舌は語る
2025-08-19
ある患者さんの舌です。
どこかおかしいのがわかりますか?
正常の舌には「舌苔」というザラザラした苔のようなものがあるのですが、その「舌苔」が消失して舌がツルツルになっています。
実はビタミンB12欠乏による貧血を起こした患者さんの舌で、ビタミンB 12が欠乏すると赤血球の核がうまく成熟せずに貧血になると共に、神経・精神障害や粘膜の変化が起こるのです。治療はビタミンB 12製剤を注射します。
後ろ姿は語る
2025-08-19
70才くらいの男性。糖尿病などで通院中ですが、最近は首が痛い、頭が重くすっきりしないなどの訴えが多くなりました。それもそのはず・・椅子に座っている時も姿勢は悪く、左右の肩の高さは大きく差があり、頭も斜めになっています。もう少し運動して筋肉を動かすように勧めましたが、取り組もうとはしません。
私がいい加減に対応していると思ったのか、他の病院でも相談しましたが、これといって原因はわからなかったようです。
なんとか自覚してもらおうと考え、ちょうど胸部レントゲンを撮影するタイミングでの立ち姿を写真に撮りご本人に見せたところ、あまりに歪んだ自分自身の形に驚いたようです。
若い頃には武道家だったので、これほどまでに衰えているとは思っていなかったのでしょうが「いつまでもあると思うな、お金と筋肉」です。
これをきっかけに頑張ってくれるといいのですが。





