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それ、漢方が効くかも

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夏バテに「清暑益気湯」

2024-08-06
蒼朮、人参、麦門冬、黄耆、陳皮、当帰、黄柏、甘草、五味子から組成される「清暑益気湯」はその名が示す通り、暑さで弱った気力や体力を補う効能があります。
夏が苦手で食欲低下や下痢、夏やせ、倦怠感に悩まされている人にはお勧めの漢方です。
 

手足の冷えや「しもやけ」に「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」

2023-01-03
大棗(たいそう)、桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、当帰(とうき)、木通(もくつう)、甘草(かんぞう)、呉茱萸(ごしゅゆ)、細辛(さいしん)、生姜(しょうきょう)と9種の薬草から組成される漢方です。
 
「当帰」は特に女性の血に滋養を与え活気づけるとされており、婦人科的な不調に使われるいくつかの漢方にも含まれています。「呉茱萸」はミカン科の植物、「生姜」はショウガの根のことで、どちらも身体を温める作用があります。
 
私のクリニックでは、お湯や湯たんぽで手足を温めても冷えが良くならない患者さんに時々処方します。また(西洋医学の薬剤が効かなかった)膠原病の症状(レイノー症状)で手先の血行が悪くなっている患者さんに、この「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」を処方したところ症状が緩和しました。
 
ただし胃腸の弱い方や衰弱した人では、食欲不振や吐き気、下痢などの症状が起こりやすいので注意が必要です。

扁桃腺炎、副鼻腔炎に「排膿散及湯」

2022-10-29
「排膿散及湯」は発赤・腫脹・痛みを伴った化膿症に効能があります。おできなどにも使われますが、私の外来では腫れ上がった扁桃腺炎や副鼻腔炎の患者さんに抗生剤や抗炎症剤に合わせてしばしば処方しています。
「排膿散及湯」を飲用すると患部から膿が出やすくなるようで、切開した方が楽なのではないかと思うほどに腫れ上がった扁桃腺炎の患者さんが「排膿散及湯」を飲んでから歯磨きをしていると扁桃腺に歯ブラシがぶつかっただけで膿が出て来て楽になったことがありました。また、慢性の副鼻腔炎はなかなか治りにくく抗生剤を中止できる時期の判断に困るのですが、「排膿散及湯」を飲んだときの味覚が頼りになることもあります。
健常なときには苦く感じる「排膿散及湯」ですが、膿が溜まっているときにはなぜか甘く飲みやすいのです。ですから、この漢方が苦く感じるようになったらもう良くなっていると判断していいと思います。
なお、漢方はお湯に溶かして飲んだ方が吸収も良く味もよくわかります。
 
「排膿散及湯」の組成
桔梗、甘草、枳実、芍薬、大棗、生姜

肩凝りに「葛根湯」

2022-10-29
「葛根湯」は風邪のときに飲む漢方というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。でも本当は風邪という病気ではなく、風邪に伴う悪寒や頭痛、肩のこわばりといった症状によく効く漢方なのです(咳や下痢の風邪には効果は期待できません)。
ですから「葛根湯」は習慣的な肩凝りにもよく効きます。ひどい肩凝りに悩んでいる方は、まずスクワットなどで下半身の筋肉を大きく動かしてから上半身をほぐし、肩にはシップを貼って温かい葛根湯を飲んでみてください。きっと楽になると思いますよ。また普段からシャワー浴ではなく湯船にゆっくり浸かることも肩凝り予防に大切な習慣です。
 
葛根湯の組成
葛根、大棗、麻黄、甘草、桂皮、芍薬、生姜

頑固なしゃっくりに「芍薬甘草湯」

2022-10-29
甘草と芍薬から組成される「芍薬甘草湯」の効用は「急激に起こる筋肉のけいれんを伴う痛み」となっており、こむら返り(ふくらはぎのけいれん)によく使用されて患者さんからは高評価を得ています。
この「芍薬甘草湯」ですが、横隔膜のけいれんである「しゃっくり」にも効果があるようです。私も時々頑固なしゃっくりに悩まされている患者さんに「芍薬甘草湯」を処方する事がありますが、たいていはすぐに止まります。
ただし、ときとして脳や胃などの病気が頑固なしゃっくりの原因になっていることがありますので、注意が必要です。
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